曲と曲との間に流れる時間

久しぶりの更新となりました。
梅雨の合間の一足早い夏を感じさせるような日々が続いている仙台、突然の暑さに戸惑うような、それと同時に陽気で開放的な気分も感じながら過ごしています。

先日、珍しく音楽会にお邪魔させて頂く機会がありました。バロック時代のフランスの歌に、リュートだけの伴奏というシンプルな構成。
初めて聴く曲ばかりでしたが、会場の教会に響き渡る音楽はとても心地良くて。
少しずつ、時間の流れがゆったりとして、空気が澄み渡るかのようで。
教会で歌とリュートだけの空間。もしかすると当時と、17世紀と同じような空気感や時間の速さを味わっていたのかもしれません。

リュートという楽器はたくさんの弦があって、調弦(調律)にとても時間がかかるとのことで、60歳のリュート奏者なら40年は調弦に費やす、ということわざがあるくらいだそうです。
実際に、曲と曲との合間は、黙々と調弦をなさっていらして。
調弦を静かにじっと見守る時間、この時間が何だか贅沢に感じられました。
曲と曲との間に流れる行間のような時間、忙しい日常では味わえない大切な時間のように感じられて。
この静かにゆっくりと見守るような時間、TREと似ているようにも感じられました。TREでの自分自身の身体をゆったりとした気持ちで見守る時間、今の社会で暮らしている私達にとっては、それだけでとても贅沢な時間のように思えて。
古楽の演奏会、素敵な音楽と一緒に、大切なことを伝えてくれているような時間でした。


2015-07-14 | Posted in 日々のことNo Comments » 

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